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NO.89 “がむしゃら”

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 突如として上空から降り注いだ岩の雨を一身に受けたスピアーは、自らの薄羽が破れ、発生したバランスの崩壊によって草茂る地面に引き落とされたことを知覚する。後追いするように、衝撃に打たれた身の痛みが地に着いた体を駆け巡り、その体がぎこちなく震える。
 だが痛みを己の物として十分に理解し受け入れる時間も許さず、霞む視界に飛び込んでくる大岩があった。岩を模した硬質の体、ゴローニャの接近だ。スピアーの眼前へ着地したその体から腕と脚が伸び、岩の突起として存在する顔が迫りスピアーの視界を覆う。腕を振るわれれば体を吹き飛ばされ、頭を突き込まれれば砕かれる、そんな距離だ。
 だが、倒れるわけにはいかなかった。ここより奥地へ踏み込まれれば、より多くの仲間がこの岩の持つ力の餌食になる。奥の木の中にはタマゴも数多に隠されており、それはこの森を生き抜いてきた自分たちの結実だ。この先の一歩たりとて、踏み込ませるわけにはいかなかった。
 思った途端、スピアーの体に不意の熱が生まれる。だがそれは痛みを伴うものではなく、むしろ身の震えを消し去る抱擁のような暖かさを持つもので、故にスピアーは、その熱に自らの力の再燃を感じる。
 右の腕が上がる。そう認識したときには、ほとんど無意識的に円錐の腕先を岩の顔めがけて突き込んでいた。直後に、弾かれる感覚。だが、その時には既に左腕が刺し貫く動きを取り、次の瞬間には方向が逆になった同様の行動が連続していた。
 その連続の突きに、朦朧とする意識が追いついてくる。意識と動作の同調とともに、突きはより一層の速度を得た。硬く衝突し、弾かれ、だが確実に削ぎ取る音がスピアーの聴覚を刺激する。
 己を過度に傷つけないための針の角度調整も、獲物を弱らせるための毒の抽出も忘れ、ただ眼前に突きを発生させ続ける。多重に発生する硬音が耳を打つ。
 その音が、不意に途切れた。同時に両腕が空を薙ぐのを感じ、スピアーは惰性で腕の動きを静めた。
 脱力に包まれた視界の中で、丸い岩の塊がはるか視界の先で小さく転がっていくのを確認するなり、スピアーの体はついに伏した。

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・ひとこと
 
 もしかしたら長いかもしれません。つーか確実に長いですね!? 
 最初はオオスバメあたりでやろうと思ってたんですが、そういやスピアーさんが覚えなかったっけと思って調べてみたら案の定だったんで出てきてもらいました。思ったんですが、“かたくなる”で出演できなかったコクーンさんの未来はいかに。“むしくい”とか使えましたっけ。つか、なるべく多くの種類のポケモンを出したいので、出演済みリストとか作ってみてもいいかもなと思いました。
 まあその、一生懸命がんばった感が出てればいいなぁと。そしてスピアーたんの針萌え的になってればいいなぁと。そんな感じでひとつ。
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テーマ : ポケモン
ジャンル : ゲーム

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Author:ぱすてぃ
ポケモンと百合に熱を注いでいる人です。当面の目標はオリトレの百合長編を書くことですがいつになるやら。

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