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NO.4 “アイスボール”

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静寂を敷き詰めた白い雪原。なだらかな傾斜を行っている雪の坂を、転がり落ちる動きがあった。空の色を湛えた透明な球体だ。
透き通った氷で形成されたその球は、広がる静寂を崩さず、自らよりもはるかに高い背を持った針葉樹林に蹴飛ばされて砕けないように、ひそやかにただ白い道を通り抜けていく――ように見えた。
ややあって、そこに音が生まれた。雪の降り積もる地面と深く接していることを示す、小さな音だ。
そのくぐもった音が、ややあって、次第に、ゆっくりと、しかし確実に、大きさを増していく。薄く透明だった氷球が、白に包まれている。
増しているのは、音だけではない。雪の斜面を流れるその速度も、時間とともに速まっていく。より早く速く雪原へと接し、白いカーペットの上を転がる音が重積していく。
そしてついに、氷球は自らの走る純白の絨毯を、自分の身へと強く巻きつけることを始めた。音が大きく、転落が速く、そしてその身が大きくなる。
始めは樹の根につまづいて壊れそうだった透明の球が、今や深山に連なる岩石のごとき威容を得て、なおかつ止まらず、肥大していく。
我が物顔で雪原を転がり落ちる、成り上がりの権力者。その横暴を止めるかのごとく、氷球の眼前にひときわ大きな一本の樹木が、その身をもって立ちはだかった。
もはや豪速の砲弾とも呼べそうな白い球が、そこへと一直線に落ち、衝突する。地鳴りの音と衝撃が渡り、辺りにいたポケモンたちが、驚きと怯えの様子で、雪の樹と雪の球の激突を目にした。
彼らの視線の先、音が終わるころ。微動だにしなかった両者のうち、受け止めた巨体が、雪原にそびえる針葉の巨木が、ゆっくり、ゆっくりとその身を傾いだ。
揺らぐ。そして、倒れる。
先ほどの衝突よりも尚強い衝撃に、羽根を持つものは空へと逃げ、足を持つものは雪原の奥へと抜けていった。
自らを妨害するものを倒し、自らを観察していたものを退け。満足したかのように、白の氷球はふたたび、速度を得るべく雪原を転がり始めた。自分の限界を知る、その瞬間を求めるかのように。


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◇ひとこと
大学でヒマができたので、そっちで書いてうpった第4回目です。こういうのが柔軟に行えるあたり、ブログはやはり便利ですね。
して、なかなかマイナーな今回のワザですが、ちょっと長くなってしまいましたかね?
今回の特徴はなんでしょう、使用ポケモンが出てこないってとこでしょうか。誰がなんのためにやらかしたのか知りませんが、どっかで落ちたりして止まらないとすっごい迷惑というか危険ですね、これ。
雪原とか、ダイレクトに雪とか氷をくっつけられない地形だとどうなるんでしょうね?個人的には、ワザを放ったポケモンが冷気とかを徐々に吹きかけていくのかなー、なんて思ったのですが。
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テーマ : ポケットモンスターHG・SS
ジャンル : ゲーム

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Author:ぱすてぃ
ポケモンと百合に熱を注いでいる人です。当面の目標はオリトレの百合長編を書くことですがいつになるやら。

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