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NO.29 “いかりのまえば”

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 地面を叩きつけられる強い衝撃に、コラッタは思わず伏せた体の均衡を失いそうになり、必死の力を込めてそこから離れまいと踏ん張った。
 地面には幾つもの穴が穿たれ、力の戻る勢いで、今また、一本の樹がへし折られて身を沈めた。瑞々しく実った木の実が落ち、芳醇なその中身を荒れた地にぶちまける。
 衝撃を起こした岩石の連なり――それが一つの形を取って作られたイワークの巨体を憎々しげに見上げる子ネズミの瞳に、湖面のような揺れが宿る。
 この場所は、この小さな存在にとって、代えがたい安寧の場であった。そこに何の予兆もなく現れたこの巨大な無法者に、無力を感じるよりもまず、コラッタは震えた。燃え上がり焼け付くような、耐え難い思いを帯びた敵意を以って、だ。
 その熱が、体の全身から、まるで吐き出されるように体の前へと向かっていくことを、コラッタは直後に感じていた。衝動が、そこでその身を奮い立たせた。
 一声吠えるように鳴いてから、四本の脚を踏み込んだ身が岩石の巨体に飛び掛る。不釣り合いな岩の並びの半ばにしがみつくように、怒りの熱が集まった場所――長く大きく、鋭く生えた前歯を打ちつけた。
 弾かれるような高音が響くが、コラッタの前歯は、確かにイワークの腹にあたる一角に噛み付いて離れなかった。
 イワークはそこでようやく、自らに起きた違和感の正体を悟る。しかしながら意に介す必要もないと感じたのか、鋭い二つの目をそこから外そうとした、その時。
 大きく、しかし小さな前歯に集まっていた熱が、そこで、光を発した。憤慨を体現するかのような熱い赤に染まった、激しい光だ。
 光は瞬時に、樹よりも大きな巨体の全身に、赤の色を伝えた。そしてその全てに、確かな熱量を与える。
 突如として未知の苦痛を与えられた岩石の体が大きく揺らぎ、太く重い咆哮が地面に落ちた。

==========


・ひとこと

 くそっ、長げぇ!
 さて、今回は“いかりのまえば”。このワザといったらこのポケモン(またはラッタ)でしょう、ということで使いましたが、最近は普及が広まってますね。トドの前歯→しおみずはやったことないですが凶悪そうです。
 なんかHP半減については結局よくやれませんでしたが、とりあえず防御力無視感を出したかったのでこういう相手と描写にしました。
 こういう、ゲーム的な効果ってどうするか難しいですよね。さすがにそのまま「よし、“いかりのまえば”を決めたからイワークのHPはあと半分だ」とか言うわけにもいきませんし。
 なんかこう、現実世界でポケモンのゲームやってるキャラがポケモン世界に来てそんなこと言って、周りに「は?」とか思われるとかだったら使えますかね。実際はそうキッチリはいかない、とか。
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テーマ : ポケットモンスター
ジャンル : ゲーム

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No title

コラッタ「なげえよ!」※コラッタの“いかりのまえば”で文量が半分になった!

No title

またレス遅れつつどうもどうもーと身内コメ返信を。
毎回完成したらコラッタ先生に推敲お願いしようかしら。どう考えても必要な部分も持ってかれそうですけれども。
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ぱすてぃ

Author:ぱすてぃ
ポケモンと百合に熱を注いでいる人です。当面の目標はオリトレの百合長編を書くことですがいつになるやら。

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