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No.108 “きりばらい”

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 砂埃が渦を巻いて、嵐のように吹き荒れる。僕達にとって有利に変化させた戦いの場。けれどこちらの足元で地面が盛り上がり、そこから鋭く尖った岩の破片が飛び出して周囲に停滞浮遊をし始めた。堅実な第一手、“ステルスロック”による相手のアドバンテージ作りだ。

「あちゃー、最初に撒かれちゃったわよ? 後から面倒ね、これ」

 僕の横で、彼女がそうぼやく。彼女のポケモン――砂に紛れて姿勢を低くしているガブリアスも、浮かぶ石の刃を鬱陶しそうに見回している。

「大丈夫、これくらいは考えてる」

 けれど僕は、状況に臆さずに彼女にそう伝えた。彼女はアーモンドのような色をした丸い目をさらに見開き、僕に尋ねてくる。

「え、すごい。もしかして、ステルスの打ち落とし練習やったの? 相当器用じゃないと難しいって聞いたけど、キミの子ってそんなに修行したわけ?」

「まあ、見てなって」

 感嘆したような彼女の声音を心地よく感じつつ、僕は手早く、状況の対処に意識を向けた。目の前で背中を見せている自分のポケモンに対し、ワザの使用を命じた。

「グライオン――ガブリアスに“きりばらい”!」

「え?」

 瞬間で、ガブリアスの全身から空気を打ち払うような風が生まれる。その勢いに弾かれるように、浮いていた岩の破片は全て残らず吹き飛ばされて浮かぶ力を失った。成功だ。
 胸を張る思いで、僕は彼女に言葉を掛ける。

「ざっとこんな感じ。さ、とっとと攻撃に――」

「ばっ、バっ、バカじゃないの!?」

 賞賛じゃなくて怒号が飛んでくる。トマトのように彼女の顔が真っ赤に染まっていた。

「……なんかまずい事した? 僕」

 気圧されつつ問うと、細い人差し指がびしっとガブリアスの背中を指す。その背中には、ワザの力である空色の光がまだ残っていて、

「ガブリアスはね、“すながくれ”で避けながら戦えるのよ! グライオンといっしょで! それをキミ、よりにもよって回避力落としちゃうわけ!?」

「……あー」

 ガブリアスくらい強ければ避ける必要もないじゃん、と言うのは、流石に憚られた。

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・ひとこと

 これだけ書くんでも意外に行数消費しますねぇ。ホントはもっと、“きりばらい”後に売り言葉に買い言葉で痴話喧嘩させたかったんですがこのへんでカットです。
 きりばらいって相手のどくびしとかステロとか解除できるから強いじゃん! と思ったら、まさかの「使用対象サイドの」解除という。つまりそのまま使うと自分の撒いたステロが解除されるんですよね。自分らのを除去するときには、上のようにダブルで使うしかないと。そして回避ダウンと。
 いまんとこ、同時に壁とかも消し去る性能があるんで、相手サイドにある有利なものと、自分サイドの不利なものを同時に除去できたりすれば便利ワザになりそうですけどねぇ。あと、天候解除とか。

 ちなみに今回、書き終えてからいらねぇと思ったところを大胆に消しました。「え?」の直後、“きりばらい”使用時に挿入される、ずばりこんな文章。

<腕を交差してトンボを切ったグライオンが、自分の横で構える濃紺の鋭いフォルムに向かって、小さな球状の、空色に染まったエネルギーを打ち出す。それがガブリアスを取り巻いたと同時、グライオンの両腕が勢い良く両側へ開かれた。>

 体とかアクションのプロセスなんですが、省いたほうがテンポ良さそうだったので。このへんの調整がこれからの課題だと思ってます。
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テーマ : ポケモン
ジャンル : ゲーム

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ぱすてぃ

Author:ぱすてぃ
ポケモンと百合に熱を注いでいる人です。当面の目標はオリトレの百合長編を書くことですがいつになるやら。

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