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No.115 “クモのす”

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「行ってアリアドス! でもって即展開っ!」

 私に背を向けて、早くも走り出そうとしているその赤い巨体の進路を塞ぐようにモンスターボールを投げ、同時に指示を出す。赤むらさき色をした私のポケモンは、低い姿勢で地面に現れるなり、白く光る丸い塊を空へ向かって吐き出した。
 たてがみを靡かせたその赤いポケモンが、塊を視線で追う。私も同じようにして見上げ、その先で、白い塊が弾けて散らばった。まるで包帯やトイレットペーパーを一つのロールからたくさんの方向に向けて放り投げるように、白い線――アリアドスが一つに固めた糸が、地面に向かって落ちる。その線は落ちるにつれて、やがて規則正しさを見せて、先端が地面に張り付いた時には、歪みのない均等な並びになっていた。
 それだけじゃない。落ちながら、糸は横の方向にも伸びて。八方に落ちながらそうやって広がることで、上空の塊を中心とした、糸のドームが瞬く間に出来上がっていた。あのポケモンを中心として、私とアリアドスのどちらも中に入れるほどの、大きな半球の形だ。――これでもう、逃がさない。たとえこの赤いポケモンが炎を噴き出してこの糸を焼き切ろうとしても、それは叶わない。それなら初めから、こんな細工を使ったりなんてしない。「この糸のドームの中から出られない」という、言ってみるなら、ひとつのルールを相手に与えるのが、このワザの力だから。
 アリアドスが倒されてしまえば、このルールは失効してしまう。守ってあげなければならないけれど、そのための方策は持ってきている。整えているからこそ、ここで、こうしている。だから、

「――もう、逃げられないよ!」

 声に反応して振り向いた、炎が実体化したようなその巨体のポケモンに対するように、私は新たに取り出したボールを、地面に叩きつけた。

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・ひとこと
 ……………………も、戻ってきました。
 書かないとどんどんダメになるんじゃね病と、人に促してもらったこともあり、復帰です。書いた順番だと2番目ですが、番号的にはこれの更新が最初のはず。なのでここでそのへんのことを。続くといいです。
 
 さて、若干文体崩しめ、やっぱり長めな今回。私の場合はこのへんのワザはこういう解釈です。……と思いましたが、これだと若干強力すぎる気がしないでもないです。飛行ポケモンキラーっぷりがすげえ。まあ、展開時にひっかからなければいいんですが。あと、使用者も必ず巣の中に入る必要がある、とかですね。まあなんというか、敵方のワザとしてよく使われそうな性能だなぁと。敢えて今回みたいに主人公側が作戦のために使うのもまた乙ですかね。
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テーマ : ポケモン
ジャンル : ゲーム

No.110 “ぎんいろのかぜ”

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 見た者が抱く印象をまるで変えてしまうような、神秘を纏いつけた流麗な舞。その流れのままに、アメモースは強い色彩の入った両羽を、一層速く羽ばたかせた。
 刺すような鋭さを持った風が、そこに生まれた。舞が生み出した光の粒子と、羽から際限なく溢れ出す鋼鉄のような輝きを持った粒子が混ざり合いながら、強風に色を付けていく。鉄槍にも似た形となって、風が空気を切り裂いた。

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・ひとこと
 相手とかを入れずにさくっと。例のあの舞を習得したモースさんがちょっとがんばった回です。本当は夢特性のきんちょうかんでも描写しようかと思ったんですが、また長くなってしまいそうだったのでこのへんにしておきます。
 しかし、モースさんは蝶舞習得はもちろん、元からエアスラ、れいとう、さざめきとか多種多様な特殊ワザを持っているというのに、いちおうみずタイプの進化前さんは……せめて、シザークロスくらいは覚えてもいいんじゃねと思う今日このごろ。そういや昨日PDWでアメタマに遭遇しましたが見事に♂でした。

No.106 “きゅうけつ”

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 腕に噛みついたズバットを見やる、岩石の体のポケモン――ゴローンは、しかし数秒してそこから目を外した。大した大きさでもないこの生き物の小さな牙で、自分の体を貫いたり砕いたりすることなど出来ようもない。驚きも恐怖も生まれず、ただ余裕だけが増幅されていく。
 が、ややあって、ゴローンは突然に違和感を覚えた。脱力。ゴローンは自分がどうして動いていられるのかなど知りもしていないが、その自分が動くための原動力、そうした自分の根底の力が奪われていく感覚。遠くなりつつある意識の中で、ゴローンは腕のズバットの牙が爛々と輝いているのを目に捉え、力ずくでその腕を地面に叩きつけた。

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・ひとこと
 きゅうけつ、なんですが、ポケモンの根底の生命エネルギー的なものを吸ってるんじゃないかなと。これもワザなので。
 草はギガドレインの強化が来ましたが、きゅうけつ系の強化は一向に来ませんねー。まぁ、吸収攻撃は草のアイデンティティとして残ってくれたほうがうれしいですが。

テーマ : ポケモン
ジャンル : ゲーム

NO.69 “かいふくしれい”

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「先制攻撃入ったけど、あのハチ厄介だよね。どういうつもりか……」

 豪華なドレスのような半身に、私のラッタがかぶりついた傷が入ったビークイン。その周囲に、その体に比べればずっと小さな蜂が十匹ほど飛び交っている。そのいずれもが琥珀色の光を発して、ううん、あの蜂自体が光として、それを生み出したビークインに従うように飛び回っていた。
 そのビークインが、鋭く尖った腕を、自分の胸にあたるような位置に当てる。するとすぐさま、光でできた蜂のうち、四匹が編隊から抜け出して別の動きをとった。一度ビークインから離れたその四匹は、対角線上でぱっと強く輝き、次の瞬間にはただの光の玉に姿を変えていた。

「なにしてくる気? ラッタ、注意しといて」

 蜂を使った攻撃でも来るのかと思って、私はラッタと一緒に身構える。
 と、固形のはずのドレスのような下半身を翻らせるように回転しながら、ビークインはその四つの光を自分の体に受け入れた。まさか、と思うと同時に、スプレーを吹くような音と一緒に、ビークインのドレスに刻まれていた傷が姿を消してしまう。

「うぇっ、そう使えるのー!?」

 私たちの先制攻撃なんか無かったかのように、戦いはこれから始まるかのように、傷の癒えたビークインが細い腕を振りかざした。

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・ひとこと

 どうも最近は短文にまとまりませんね?

 ともあれ、今回はビークインの固有ワザ。実は一度ポケットパスタのほうで、女の子+クサイハナがビークインとガチバトルする話を書いたことがあり、そこで

・“こうげきしれい”……ビークインが光の蜂を繰り出し、その針or体ごとアタックで遠隔攻撃
・“ぼうぎょしれい”……蜂が並んで防壁形成

 っていうのは考えたりしてました。ファンネル厨です。 で、このときはワザを使うごとに新しく蜂がでてくるって解釈だったんですが、「かいふくしれいってわざわざ蜂出して回復させる手順が面倒じゃね? 意味ないんじゃね?」って思ったので、「ワザを使うより前に、ビークインの種族的特性として蜂を展開→用途に応じてそれを“しれい”で使い分ける」というシステムを今回は考えてみました。ファンネル厨的悪ノリです。
 ここまでするとかなりビークインが強いように思えますが、ポケモンは4つまでしかワザを覚えられないという原則は基本守られるものとして考えているので、3つのしれいを全て採用するとワザ選択の幅が狭まり、対処されやすいのではという弱点はなんとなく想定できました。あとまあ、使いこなすには結構なトレーナースキルが必要でしょうね。
 仮に3つのしれい、全てを覚えさせない場合は……たぶん出ないんじゃないでしょうか、ハチ。とりあえず長文すぎるんでこんなところにしときます。

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ジャンル : ゲーム

NO.32 “いとをはく”

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 頭を仰け反らせたキャタピーが、直後に小さな口から白色の飛沫を放った。
 線となって連なるその色が、背を向けて駆けているピカチュウの足元に飛び、絡みつく。深い森ではよく目立つ黄色の身体が、バランスを失ってうつ伏せに倒れた。
 違和感を覚えたピカチュウが小さな足をばたつかせるが、粘質を含んだ白い糸は固まりつくようにして離れない。
 そうして自由を奪われたピカチュウに、数匹のキャタピーが草の間を縫って迫る。縄張りを荒らされた恨みをようやく晴らせるとその虫の群れが感じた直後、彼らの視界が光で埋め尽くされた。
 
 焼け焦げた糸の成れの果てを脱ぎ捨てるように払いながら、一声鳴いたピカチュウは静かに森の奥へと消えていく。後に残った草木と数匹の虫のいずれもが、灰色の煙を燻らせていた。


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・ひとこと

 キャタピーかわいそうに…………
 そんなトキワのもりの一幕でした。電撃は怖いですよ電撃は。
 いとをはくと言えば初代臭の強いワザであまり実用性は叫ばれませんが、昨今は教えワザとして採用されて、多少は話題になりましたかね。ダブルバトルで二匹共に効果があるので、ダメージの無い“こごえるかぜ”のように使える、みたいな。
 もっともダメージが無いほうがいい局面とかほぼ無いので基本的にあっちでよくね、みたいなことになってますが。
 虫の糸といえば蜘蛛で、そしたらイトマルのイメージがあってもおかしくないんですが、なんとなく真っ先に浮かんだのはキャタピーでした。まぁキャタピーですからね。あいつはあいつでかなり知名度というか記憶の上位にいる存在です、個人的に。

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プロフィール

Author:ぱすてぃ
ポケモンと百合に熱を注いでいる人です。当面の目標はオリトレの百合長編を書くことですがいつになるやら。

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