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No.119 “クロスチョップ”

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 荒々しい足音を立てながら、二匹のドテッコツが迫ってくる。赤錆にまみれてくたびれていつつも隆々とした鉄骨を振りかぶって跳躍してくるその二匹に対し、カイリキーはただ悠然と待ち構えた。
 跳躍は、左右に分かれてほぼ同時。勢いのままに鉄骨を振ろうとするその腕を、カイリキーは両腕を払うことで打ち据えた。水平に払われた高速の手刀が、ドテッコツの腕先から鉄骨を吹き飛ばす。勢いのあまりに、両のドテッコツは体ごとそれぞれ外側に回る。
 そうして空中で防御姿勢を失った二匹へ、直後、外側から衝撃が走った。それは、水平に払われた二本の腕の上で構えられていた、もう二本の腕による内側への打撃だ。首の付け根めがけて正確に叩き込まれた二度目の打撃がドテッコツの頭同士を衝突させ、さらなる衝撃が二匹を襲った。

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・ひとこと
 かくとうワザは描写を短くしやすく、なおかつアクション重視で書けるので楽しいです。久しぶりに書いてもその感覚は一緒でした。
 クロスチョップといえばやっぱりカイリキーかなと思います。初代ポケスクでのカイリキー+クロスチョップの有用性は伝説級でした。
 カイリキーって、ただパワーオンリーじゃなくて、技術力も伴ったファイターというイメージがあるんですよね。あの目が鋭く獲物を狙うものに感じられるというか。なので、こういう技術ありきの対複数戦なんかではかっこよく決めれるポケモンだと思っています。あとは手首と首、それぞれを正確に狙うのが急所狙い特性の再現という感じでひとつ。
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テーマ : ポケットモンスター
ジャンル : ゲーム

NO.103 “きしかいせい”

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 小振りな、しかし先程と比べて大きく膨れ上がった火の玉を連続で受けながら、グラエナは困惑に吠える。自分が幾度も噛み付いて地面に叩き伏せたはずの相手が、なぜこうも強力なワザを放ってこれるのか。理解できないまま、自分の眼前に一つの影が飛び込んでくるのを目の当たりにする。
 炎を顕すような鶏冠は形を歪めて、丸みを帯びた小さな全身には幾重にも傷が刻まれている。だが、瞳の輝きだけは失っておらず、傷だらけの体の中で唯一主張を強くしているのが、かえってグラエナに威圧を与えていた。
 唸るように吠え、今一度、グラエナは低く身構えて牙を剥こうとする。が、再度吐き出された勢いの強い火の玉を浴びて、その小さな姿を一瞬見失った。
 そこに、衝撃が届けられた。一度で終わらないその打撃は、まるで大滝のようにグラエナの背を打つ。身が落ちていくのを感じながら必死に振り返ったグラエナの視界で、炎の色を纏った小さな身体――アチャモが、細い足で黒い体に蹴りを落としていた。左右を連続させるその動きの途絶える瞬間を知ることなく、グラエナは衝撃に意識を奪われた。

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・ひとこと

 かまいたち回もそうですが、なんかグラエナにはかわいそうなポジションが回ることが多いですね……今回は「ホウエン地方での冒険始まりたての時の苦戦」というシチュに必要だったんですが、いつか活躍の機会も与えたいところです。
 きしかいせいを使えるポケモンは、進化前を含めると割とかわいい系のもいるんですよね。なんとなくその中でアチャモのタマゴワザとしての印象が強かったので今回出てもらいました。タイプとしてはかくとうなので、嘴よりキックのほうが合うかなと。トドメに一発突いたりはしそうですけどね。
 “きしかいせい”はそれだけ見ると一発逆転ワザなんですが、これを持っていることが読み手に判明している状況では、一発逆転を使う意味とも言えるどんでん返し的な味が薄れてしまうので、一度使った後は予想以上に戦略的なワザとして組み込んでいく必要がありそうです。敵サイドがいきなり使ってくるのはアリでしょうが、どうしてもゲームのこらきし運用とかを知っている読み手の方が見るとご都合主義的に感じてしまうでしょうし、なかなか容易には使えなさそうですね。

テーマ : ポケモン
ジャンル : ゲーム

NO.100 “きあいパンチ”

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 空気が沸き上がるように熱されていくのが、少し離れたここからでも感じ取れる。それを証明するかのように、眼前で緑色の背中が赤みを持って震えていた。
 オレのキノガッサは、その熱をあえて体に取り込んでいく。熱さに弱い体を気遣って慎重に、けれど大量に、生み出した力を自分の物にしていく。おそらくは目を固く瞑って、意識のすべてをそれだけに注いでいる。妨害は許容できないし、下手をすればオレの挙動ひとつでこいつの体の中で熱が暴れ出すかもしれない。そう思うと、ただ固唾を呑んで見守ることしかできなかった。

 だが、そこに割り入ってきた。
 熱だ。キノガッサが取り込んでいる沸き上がるような物とは違う、燃え広がるような勢いを持ったもの。
 炎だった。橙でもなく、青でもなく、ひたすらに赤。一周回ったような、開き直ったような色を持ったその炎はどこまでも熱くて、だからそれを、一匹のポケモンが体に纏っているだなんて、一瞬オレには信じられなかった。
 突撃。赤い炎の奥で白い体毛を逆立てたそのポケモンが、一瞬でオレの視界で大きくなった。ゴウカザル。その認識ができた時には、感じていた熱はすべて赤く塗り変えられていた。
 
 爆発する。赤い炎が一瞬でキノガッサを包み込んで、あいつが立っていた場所に塔のような火柱が生まれた。むせ返るほどの熱気を放つその火柱はそれから、竜のように踊り狂ってから急激に掻き消える。
 衝撃に顔をしかめながらも立っていたのは、白い体毛と髪のような炎の姿だった。奴の体のすぐ前で、衝突を食らった黒焦げの体がそこにあって、――だからオレは、つい不敵に笑ってしまった。
 オレの表情に、奴は、ゴウカザルは勝利に浸りかけていた顔に緊張を取り戻す。直後に、奴は気付いたんだろう。すかさず後ろへとステップを踏む。

 オレの眼前には、黒焦げの姿があって――その背中に張り付くように、緑の体が立っている。焦げたのは、あいつの抜け殻みたいなもの。殻が守ってくれると分かっていたから、その行いを、体に力を取り込むことを乱す必要はない。そして、それはもう完了している。取り込んだ熱のすべてを、尖った手先に集中させているあいつの――キノガッサの姿を見れば、それは明らかだった。

 ゴウカザルは、それでも瞬く間に拳から突っ込んでくる。先制技での連続攻撃。だけど。
 パン、と、何かが弾ける音がした。いつ聞いても耳の奥まで刺激される、なにかこの世の物ではない物体を叩いたような、その場の全てを打つ音。それが今もまた、響いた。
 全てはそれからだ。オレまで吹き飛びそうになるような衝撃波が広がるのも、砂煙が嵐のように舞うのも、速い拳ごと奴が反対方向へ吹き飛び、遙か遠くの木に衝突して新たな衝撃が生まれるのも、全てこの音がここに響いてから起こるんだ。

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・ひとこと

 うひゃほう! No.100うひゃほう!
 いやー、くるもんですね3ケタ。まだ「き」ですけど!
 そんなわけもありつつ、これはちょっと長めです。みがきあはみがきあですが、いじっぱり攻撃V252的な感じので。威力の描写のためには速さと、あと静けさが意外に重要なんじゃね? とか思います。
 いろいろ参考になるアニメですが、この技に関しては全力で設定ブチ壊してるのがステキです。それただのパンチ…… 覚えるポケモンが多いので、パンチという常套的攻撃手段にポケモン的な威力を持たせるためには便利なんですかね。アニメだとターンとか厳密じゃないんで、ゲーム通りの設定ならそれはそれで集中力切れに関してつっこみどころが生まれそうな予感はしますが。

 ともあれ、BWの前にここまで来れてよかったです。一回休んじゃいましたがまだまだいきますよー!

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NO.98 “きあいだま”

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 紺色の背から吹き出る爆炎が、叫び声を立てるかのように猛り盛る。それに呼応するかのように、空に向けて掲げられたバクフーンの腕先で光が膨れ上がっていた。
 炎の体から送られる力の立ち上りに引き剥がされるように、足下の地面が細かく砕け、土砂が緩やかに舞い上がっていく。それを背景として背負い、立ち上った力の塊が大上段から放り投げられた。
 力で構成された光の球はただ一直線に突き進み、炸裂とともに空気と木々を薙ぎ払った。

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・ひとこと

 ちいっ、こちらの初更新失敗ですー。
 私のスカーフバクフーンがコレを持ってるので、スカーフの描写もしてみようと思ったのですが上手くいかなかったのでまた保留です。ポーズはやっぱり例の元気分けてくれ的なアレのイメージですかね?

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No.95 “かわらわり”

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 楕円の体を弾けるように跳躍させたマリルリの右手が、落下の速度を具現したかのように光に包まれる。そのまま直下へと、光が落ちた。
 光を帯びた青い手が打ったのは、薄緑に染まった半透明の板だ。壁のように立ちはだかるその光の板に、衝突から一息を置いて稲妻のような亀裂が走った。

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・ひとこと

 な、なんか帰省直後で調子でねぇです! つかゲームばっかしてたせいですねコレ。
 最初、「弾けるように」を「鞠のように」ってしてたんですが、そういやマリルって鞠が元ネタなんじゃね? 鞠のようなマリルリとかなんかおかしくね? と思って変えちゃいました。

 と、帰省してきたら1000ヒット突破してますね! ニッチなサイトですが、これからもよろしくお願いしますー。

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プロフィール

Author:ぱすてぃ
ポケモンと百合に熱を注いでいる人です。当面の目標はオリトレの百合長編を書くことですがいつになるやら。

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