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NO.8 “あくうせつだん”

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鋼鉄の様相を呈した豪腕が、しかし水流のようなしなやかさを得つつ、単純な力強さではない、威圧と速度を持ちながら振り下ろされた。
 同時、光を帯びたその巨躯を三つ、四つほど置いた離れた中空に一筋、桜のような色に染まった線が駆け抜けた。
 一瞬の間を置き――否、果たしてその間すらあったのか知覚しかねる時を乗り越えて、古の巨体から離れた位置にある光の筋が、傷口が開くかのように広がった。
 広がりは狭く小さいように見え、だがその瞬間、一帯の空気が、確実に変容した。
 それは振動であったか、消失であったか、爆発であったか、崩壊であったか。真実を知るものは恐らくこの、真円の輝きを宿す巨獣だけで、それを他の者が知る日は来ないのであろう。
 その変容――結局、変容と呼称するしかあるまい――は、光の傷口を中心に生じている。それが起こったのも束の間、この瞬間を越えた直後、空中に刻まれた桜色の断裂が暴れだした。
 歪む。その場に確かな形で存在していたはずの空気が、地面が、その形を不確定なものにしていく。
 不定形に変わり行くのは、外観だけではない。その存在も不明瞭なものへと変わっていくという現象が、確かにそこで生じていた。
 大地が歪む。渇きが歪む。歪み変質し、自らの行き場に迷った物質を――その中心に開いていた、光の傷口が喰らった。
 ただそこにあっただけ、それまで何も特別な性質を有していなかった空間が、大口を開けたように一層広がりと輝きを増したその断裂によって、吸い込まれていく。存在ごと喰らい尽くされてゆく。
 音が広がった、その直後にはその響きも呑まれ、一帯全てが存在を光の裂け目に吸収される。
 やがて桜色の光が閉じていき、筋になり。その消失とともに、空気の変質が止む。
 広大に広がる乾いた大地で、ただその空間だけが、他に悟られることもなく消失という事実を得ていた。


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◇ひとこと
大学でヒマだったのでシリーズその5、今回はあの伝説ポケモンのワザです。
それに見合うように…と思いましたが、果たしてどこまでやれてるか。今後も伝ポケのワザが出てきたら正念入れる必要がありそうですね。
短いですが、実はあと5分で大学の授業が始まりますので、ここで失礼します。
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テーマ : ポケットモンスターHG・SS
ジャンル : ゲーム

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ぱすてぃ

Author:ぱすてぃ
ポケモンと百合に熱を注いでいる人です。当面の目標はオリトレの百合長編を書くことですがいつになるやら。

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