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NO.88 “かみなりパンチ”

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 淡い空色に包まれた鋼の体が、杭のような二つの腕のうち、右腕を軋ませながら後方へ弓引く。その動作を見取ったアーマルドは、相手のメタングの左腕側へ回る、重く大きなステップを踏んだ。ワザが使用されない方向からカウンターの打撃を叩き込む動きだ。
 だが、甲冑のような体を踏み込ませた先で、アーマルドは光に打撃された。弾ける音と光が僅かな熱を伝え、受け止めた体に小さな痺れが走る。
 さらに連続する打撃を腕の交差で防ぎつつ凝視すれば、打撃を行っているのは左腕だった。その左腕には、老樹に絡みつく蔦のように、金糸のような電流が纏われていた。予備動作も起こさないまま、電撃を乗せて押し出すだけのパンチを連続させてくる。
 だがそれ故に、鉄盾のように硬い腕の防御があれば気に留めることもない威力だ。打撃と痺れより、電流が飛び散る音のほうが煩わしいとアーマルドは感じる。だから、変わらぬ拍子で細かく打ち出される雷の打撃を、十度目を越したあたりで外側に弾き飛ばした。左腕が開き、左半身を向けてきていたメタングの体が大きく晒される。その隙を逃さず、アーマルドが深く一歩を沈めようとしたところで、不意にメタングの体が捻られた。やけに速い動きだ、と思うアーマルドは、だが直後にそれ以上の速度の肉迫を見た。
 右腕だ。左の半身を前にすることにより隠されていた腕は、弓引く形をとうに解き、今はそこに銀色の光を散らせ、さながら彗星のように光と速度を交えていた。驚きに目を見張るアーマルドの顔面目掛け、星が衝突した。

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・ひとこと

 に、二度ネタです。メタングのかみなりパンチとコメパンのダブル、状況こそ違いますが実は二度ネタです。なんか気に入ってしまって。ちょっとコメパンのほうが主役臭いですが、まあそれは気にせずに(?)。
 かみなり系のワザを三連続でやってみましたが、なかなかあのバチーンって雰囲気を出すのが難しいですね。音もそうですし、光もそうですし。雷っぽさといえば瞬間的な衝撃だと思って短く描写すると味気なくなってしまう気がしました。うまい比喩とかを持ってくれば雰囲気と短さを両立できますかねー。ふうむ、比喩の語彙とかってどうやって増やせばいいのかー。

 あと、これに限った話じゃないんですが、やっぱり自分、戦闘描写は川上稔の影響がちょっと出てる気がします。狙ってやってるわけではないのですが。
 最近バトルをやるラノベといえばほとんどホライゾンくらいしか読んでないですし、氏の作品はいちおう初作からほとんど読んでいるので、あの文量をこなしている内に染み付いてしまったのかもしれません。まぁ、本格的に氏の雰囲気に似せるならメカニズム的な部分の描写がもっと必要なんですけどね。なかなかそんな知識はありませんし、今以上に冗長な描写になってしまいそうなのでその方面でやるつもりは特にないです。
 ……「体長十四メートル超過の」「だから行く。」「打撃力が発射された」「十という数のうち、四は砕け、三は折れ、二は弾かれ、一が僅かに押しやられる」とか使いまくり始めたら成分が注入されてしまったということで!
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NO.87 “かみなりのキバ”

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 頭から飛び込んだルクシオの白い牙に対して、キルリアは目を閉じたまま、動揺一つ見せずに回避を行う。足を交差させて地面を滑るような動きは、念力運用の無駄の無さを物語っていた。
 その光景を、満足そうに見る男がいた。長髪を撫で付け、手櫛を押さえたまま男は声を作る。

「闘争心をこうも剥き出しにして戦うなんて……それでは、キルリアの舞には加われないよ」

 言われるのは尚も同様の攻撃を続けるルクシオであり、男と相対する一人の少年である。彼は何も言葉を返さないまま、自らのポケモンに再度の攻撃を指示する。床を蹴って真正面から飛び掛る動きはしかし、当然というよりも自然の動作で避けられる。相手にされていないことに苛立ったのか、少年が大きく腕を振りかざして、しかしまた同様の指示を出した。

「キルリアひとりを舞わせるのは勝手だけど……キミの攻撃は、もう見飽きたよ」

 長髪の男は、変わらない動作に痺れを切らす。最後に一度だけ回避を行い、直後から反撃に転じる構えだ。その意図が伝わったキルリアへ、ルクシオが幾度目ともつかない突進を行い、飛び掛る。何事も無かったように、キルリアは念力で己の身を右方へ運ぼうと念力を纏わせる。
 ルクシオの牙先はやはりキルリアを捉えられず――だが、突如として牙の奥から青白い光が迸った。違和感に目を見開いたキルリアを追いかけるように、その光――生み出された電流が走る。鋭い刺激音に紛れて、少年が事も無げに言った。

「見飽きたって、そりゃそうだろ。見飽きさせてんだからさ」

 電撃に捉えられた細身に向けて、ルクシオの牙が閃いた。

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・ひとこと

 結構難産でした……。別に必ず妙なことをする必要もないのですが、ただルクシオが噛み付くだけというのも芸がないですしね。
 何度も何度も同じ行動を行って、「次もまたバカの一つ覚えなんだろう」と思った隙を突く。そんな感じです。少なすぎず多すぎず、下敷きの回数は結構調節が難しそうですね。

 す、スパークの劣化とか言わないでくださいねっ!

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NO.86 “かみなり”

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 はるか頭上に立ち込めた分厚い雲が、墨を染み込ませた真綿のように、けれど言い知れない圧力を放ちながら広がる。それだけでも押し潰されてしまいそうな感覚があるのに、視線の先で振り上げられたライチュウの手から迸った金色の電流が、またたく間にその暗い雲に纏わりついて意思を持っているかのように暴れ出してしまう。雲の中から重く響いてくる音がお腹を満たしたがっている化け物を思い起こさせて、無意識のうちに足が一歩下がっていた。わたしの不安が伝わってしまったのか、アリゲイツの背中も同じだけ後ずさりする。

「あ、アリゲイツ、これ多分、危ない、かも……」

 その、きっと、すごく、まずい。分かっているけど、黒い雲に喉を押さえつけられたように、まともな指示が出せない。また一歩後ずさり。アリゲイツも腰から下がって――という時に、ライチュウの手がしなりながら振り下ろされた。
 灰色めいた黒が、瞬間で白くなる。弾けるような轟音がわたしの耳を打つ。意識ごと音と光に吹き飛ばされたような、そんな感覚。思わず閉じた目の奥が白い。痛みなのか恐怖なのか、空けようと思った瞼が震える。
 それでもようやく、瞼を持ち上げて視界を取り戻す。わたしの目の前で、アリゲイツが――尻もちをついていた。青い体のほんの奥の地面だけ、黒い焼け跡を刻まれて大きな円の形に抉られていた。

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・ひとこと
 
 でんきタイプがついに来ましたが最初からクライマックスですね!
 かみなりの命中率を再現して、と言われていたので、今回は外れてもらいました。実際でも2回連続ハズレとかザラです。
 命中率が低いことに関して、描写できませんでしたが。うーんと、雷を指定した地点に落とすときに若干時間が掛かって、直前になって変更が利かないという感じでどうでしょう。ライチュウは手をばっと振り下ろしましたが、そのちょい前から位置指定をしていたということですね。今回のように範囲は狭めでもいいかもです。読み当てとかが熱そう?

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ぱすてぃ

Author:ぱすてぃ
ポケモンと百合に熱を注いでいる人です。当面の目標はオリトレの百合長編を書くことですがいつになるやら。

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