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No.BW1 “あおいほのお”

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 アタシたちが向き合う眼前に、その存在は居た。
 蜃気楼を纏いつけたように歪んで見えるその全身は、他に存在しうる全ての色を排したような、純然たる白の一色に染まっている。
 陽炎のように揺らぐ翼が、熱されていく空気を撫でる。その熱は、白い身体の背後に伸びる、噴出孔のような構造をした尾から生まれているのだと、アタシは推測する。白い身体の中で、そこだけが火山の火口のような赤と橙を湛えていた。

「――シャンデラ、気をつけて」

 暗がりに満ちたこの部屋を照らし上げるような熱に、汗が頬をわずかに伝う。圧するような熱の中で、アタシは声を発した。
 数歩の距離を置いて浮かび上がる、アタシのポケモン。向き合う姿に比べれば、その身体は小さく細い。
 けれど、このポケモンには力がある。他者の炎を受け入れて、自らの力として変換してしまう、強力な力が。彼が――対峙するあの少年が、その事実を知っているかはアタシには分からない。けれど、悪くても牽制、良ければ機転となるのは、間違いないはずだ。

 ややあって、動いた。
 少年だ。淡い緑の長髪を揺らし、帽子の黒いつばを小さく持ち上げ、静かに何事か、唇を動かす。その言葉を受けるのは、この場の空気を全て支配している、あのポケモン。攻撃が来る、と、直感でもなんでもなく読み取れる。
 白い全身が姿勢を低く取り、尾の先端が天井を向く。溜められていた赤い色が、炎となって空中に浮かび上がっていく。瞬く間に増加した光源が、部屋を囲む本棚の木目を照らし上げていく。

 炎が来た。
 それはつまり、好機が生まれたということ。
 アタシはすかさず、シャンデラに言葉を飛ばす。

「今ですよっ、“シャドーボール”!」

 と、アタシは確かに言った。そのはずなのに、アタシのポケモンは反応を見せなかった。

「シャンデラ――」

 何を、と言おうとして、気付く。闇色のポケモンが硬い音を立てて、震えていることに。原因を探る前に、答えが産声を上げた。
 白い身体の中で、もう一つの色が残っていた。空色。水色。青。
 瞳に残されていた色が、その青が輝いた。
 瞬間、全てが青に変わる。空気を埋め尽くしていた橙の炎の輝きが全て、清涼感すら覚えるような澄み渡った色に。
 けれど、こみ上げてくるのは、ただただ、熱いという感覚。立っていることに耐えられないほどの熱量に、押し潰されそうになる。
 心の中にあった絶対の確信に、まさか、という揺らぎが生じる。けれどそれはもう、遅かった。

 雄叫びが聞こえる。尚も強く燃え上がろうとする意思を轟かせるような音に、炎が呼応した。
 炎が青の色のまま、落ちてくる。シャンデラの全身が瞬く間に取り巻かれて――闇の身体に吸い込まれることなく、濃い空色の爆発が空間を埋め尽くした。

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・ひとこと

 ごめん! ほんとごめん! なに文章省略とか! 今回は許して!

 ……ええと、第五世代ワザ、はじめました。とりあえずこういう番号振りでやってみようと思います。イッシュ図鑑、的な。
 で、お初はまさかの伝説ワザ。いやあ、アクロバットだと思ってたんですけどね。ホワイト民には無縁のワザです。だからようつべでエフェクトチェックしたりして。
 
 シチュは分かりましたでしょうか。レシラム→ターボブレイズ→特性無視→がんじょう?→もらいび!→ストーリー絡み→シャンデラ+小説家の人!! という感じで引っ張らせていただきました。レンブさんのダゲキ葬るよりもこっちのほうが良かった……とは思うんですが。

 まぁ、そんなキャラを使ってはいますが相変わらず二次創作は苦手なので心情面はほぼスルーです。こういうときに逃げずに書いていくのがいい経験になるとは思うんですが。

 とりあえずこんな感じで、今週からはワザ描写:ブラック・ホワイトもですー。
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テーマ : ポケモン
ジャンル : ゲーム

NO.74 “かえんほうしゃ” 

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 刺すように強く照りつける日差しを集め、ソルロックは朱色に染まった体の核を、より一層の赤い光で包み込んだ。瞑想するように閉じられた目と共に僅かに身を震わせると同時に、中心で纏った熱の光が、体の外側に伸びる岩の突起へと八方に移って行く動きが生まれた。不揃いに尖った八つの岩が、瞬く間に赤く色を付ける。
 一息の後、閉じられていた岩の瞳が目覚めを得たように見開かれ、八方の突起の全てから、赤く猛る灼熱が噴き出した。照らすのは自分の担うべき役割だと主張せんばかりに、白昼の草原に橙の色が上乗せされた。

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・ひとこと

 戦闘系じゃなくてパーツ萌え系になった非常にメジャーなワザです。このまま回転とかしたらちょっと強そう……とか思ったり。そこまでやってもよかったんですが、今回は短めです。
 かえんほうしゃみたいなワザはシンプルな分、応用(勝手な解釈)が利かせられますよね。これに限らず私はけっこうワザのアレンジをやってしまうんですが、度は過ぎないようにとは思ってます。どんなに魔が差してもオリジナル合体ワザだけはやらないんだ……っ!

テーマ : ポケモン
ジャンル : ゲーム

NO.73 “かえんぐるま”

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 前後の脚で交互に加速を追加し、背の低い雑草を揺らしていたマグマラシが、速度の頂点に達すると同時、身を丸めながら小さく跳んだ。すぐに訪れる接地と共に、強力な摩擦が生まれたかのように体と草生える地面の間に火花が散ったーーのも束の間、瞬く時を置かずに火が膨れ上がり、縦回転の輪となったマグマラシの体に纏われる。
 勢いを殺さず、マグマラシは地を走るように転がった。草が焼かれると同時に刈り飛ばされ、一息で焦げ付いた地面が軌跡となって露わになった。

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・ひとこと

 基本的にワザ描写! は、「このワザといえばコイツ」という(私の個人的な)イメージに従順になっており、そういうイメージがあるときは高い確率でそのポケモンが採用されます。捻りがないっちゃないんですが。
 金銀のときのかえんぐるまの輝きっぷりはハンパなかったですよね。あのころはみんながそんなにうまくワザを習得ノウハウを得てなかったということもあるでしょうし、とにかくヒノアラシ選択者の方にとってはとてもお世話になったワザって気がします。私もその一人です。

テーマ : ポケモン
ジャンル : ゲーム

NO.64 “おにび”

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「“かえんほうしゃ”よ、キュウコン」

 撃ち出された球のような炎が、前方のキノガッサに向けて細く火線を引いた。相対する少年はその火勢の弱さを鼻で笑い、自らのポケモンを声で叱咤する。

「アレならくぐれんぞ、“スカイアッパー”ぶつけとけ!」
 
 両腕を低くした顔の前で構え、走り出したキノガッサは指示の通りに、たなびくような火炎をすれ違いざまにかい潜る。橙の炎が緑の傘を火の色に照らしたが、その熱の芯は掠りもしない。一息でキュウコンに飛び掛かれる位置にまで踏み込んだキノガッサが、直後には踏みしめた右足を弾き飛ばして突撃の跳躍を行った。
 そこで不意に、キュウコンが体を翻した。豊かな金毛をまとった九本の尾が、扇のように開きながら前方に躍り出る。その動きの中から、尾の間をすり抜けるようにして暗く輝く塊が幾つとなく現れた。
 暮れかけの空のような色の塊は人魂のように揺らめきながら、キュウコンの眼前に浮かぶ。そこへ向けて、異変に気づきながらも勢いを止められないでいるキノガッサが飛び込んでいく。
 明らかになった八という数の内、三つの塊が直後に動きを見せた。突き込まれる拳を迎える挙動で、それらがキノガッサに触れ、濃暗な青がそこで広がった。音もなく、しかし沸き上がるような熱を放ちながらだ。
 
「トラップ……やべぇ下がれ!」

 青い炎に取り巻かれたキノガッサを、少年は慌てて後退させる。正面に帰ってきたキュウコンの瞳の輝きとともに、未だに残留する五つの暗い輝きが、追い払うように大きく揺らぎを見せた。
 
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・ひとこと

 おにびってなんとなく人魂みたいなので、威力なしというところからも停滞型かなと。展開のさせ方的にはなのはのアクセルシューター……を、もっと防御・迎撃目的にした感じでしょうか。あの作品の戦術理論とかを分析すると結構得られるものがある気がします。
 持続が長くホーミングも強いと思いますが速度は遅く、たぶん他のワザが当たるとけっこう簡単に相殺されてしまうんだと思います。私的設定ですが。
 とはいえ近接ワザしか持っていないとなかなかのプレッシャーを与えることができるのかなと。ストフリの停滞ドラみたいな? 私あのゲームはやるだけやってザコすぎるのでよく分かってないのですが。

テーマ : ポケットモンスター
ジャンル : ゲーム

NO.56 “オーバーヒート”

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 重量感のある丸みを帯びたブーバーンの身体が、踏み込んだ両足ごと重く地面に沈みこむ。地面に自分の体を打ち込ませてから、そのブーバーンは両腕を前方へ突き出した。
 腕の先端は黒く、平たいその面に短い爪が光っている。だがブーバーンが一声鳴くのを合図に、黒の面にあった白い爪が吸い込まれるようにその中へと収まっていった。同時に、腕の先端を取り巻く金色に近い黄の外殻が、切れ込みが入った部分から裂けるように開く。開け放たれた腕の先が、その奥に収められた黒い色を強調する。
 直後に、その黒い面も展開を行う。カメラのシャッターが開くように、その奥に続く深く黒い円筒が姿を現した。
 踏み込んだブーバーンの脚に、いっそう力が加わる。呼応するかのように、空洞を露にした腕の奥から、赤い光が漏れて窺えるようになる。見る目にも明らかに熱を放つその光は、ゆっくりと着実に、腕の先端を目指す。
 切り込みの入った外殻がある辺りで、その光は一度、動きを止めた。だが、湛えられたその光は抑えきれない衝動のように震え、それがブーバーンの全身に伝わる振動を生む。
 と、光の振動に揺れる全身が、突如として白く輝きだした。滾る熱が全身に伝わり、体内からその熱量が浮かび上がっていた。
 その熱が、一息で撃ち出される。両腕に溜められた赤い光は、一つの熱の塊となりながら、鉄の砲門のような腕を弾丸の勢いで蹴り飛ばす。
 灼熱が弾けた。発射の瞬間、ブーバーンの足元から漏れ出た、深い赤に染まった熱が波紋となって周囲の草を薙ぎ倒す。
 ブーバーンに多大な反動を与えながら、爆発するように飛び出した炎の球は、白く尾を引きつつも、まるで一本の赤い炎線のように突き進み、通り抜けた全ての空気を夕焼けと血を混ぜたような赤に染め、熱で満たした。
 放たれた熱の勢いがようやく消えうせた中で、ブーバーンは低い姿勢で肩を上下させていた。赤く染まった砲門と、炎を模ったような肩口からは、濃い色の煙が静かに燻っていた。


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・ひとこと

 発射シークエンスも入れたらなっがいことにっ!
 ブーバーンの腕がよく分からなくてググッたりしてたら、身体が白く光ることとかが載ってたんで色々盛り込んでみようと思った結果がこれです。
 オバヒはゲーム中だとなんでしたっけ、赤い波紋をバーンって広げてからバシーンって叩くんでしたっけ。
 これだけの威力だと一点集中型のほうがしっくり来るんじゃないかな、と思って、波紋は余波にしてみました。実はこれも以前書いたことはあったりします。
 とりあえず、赤い! そして熱い! それだけなんとかなってればいいかなっていう。

テーマ : ポケットモンスター
ジャンル : ゲーム

プロフィール

ぱすてぃ

Author:ぱすてぃ
ポケモンと百合に熱を注いでいる人です。当面の目標はオリトレの百合長編を書くことですがいつになるやら。

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