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No.119 “クロスチョップ”

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 荒々しい足音を立てながら、二匹のドテッコツが迫ってくる。赤錆にまみれてくたびれていつつも隆々とした鉄骨を振りかぶって跳躍してくるその二匹に対し、カイリキーはただ悠然と待ち構えた。
 跳躍は、左右に分かれてほぼ同時。勢いのままに鉄骨を振ろうとするその腕を、カイリキーは両腕を払うことで打ち据えた。水平に払われた高速の手刀が、ドテッコツの腕先から鉄骨を吹き飛ばす。勢いのあまりに、両のドテッコツは体ごとそれぞれ外側に回る。
 そうして空中で防御姿勢を失った二匹へ、直後、外側から衝撃が走った。それは、水平に払われた二本の腕の上で構えられていた、もう二本の腕による内側への打撃だ。首の付け根めがけて正確に叩き込まれた二度目の打撃がドテッコツの頭同士を衝突させ、さらなる衝撃が二匹を襲った。

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・ひとこと
 かくとうワザは描写を短くしやすく、なおかつアクション重視で書けるので楽しいです。久しぶりに書いてもその感覚は一緒でした。
 クロスチョップといえばやっぱりカイリキーかなと思います。初代ポケスクでのカイリキー+クロスチョップの有用性は伝説級でした。
 カイリキーって、ただパワーオンリーじゃなくて、技術力も伴ったファイターというイメージがあるんですよね。あの目が鋭く獲物を狙うものに感じられるというか。なので、こういう技術ありきの対複数戦なんかではかっこよく決めれるポケモンだと思っています。あとは手首と首、それぞれを正確に狙うのが急所狙い特性の再現という感じでひとつ。
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テーマ : ポケットモンスター
ジャンル : ゲーム

No.BW6 “イカサマ”

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 ゴルーグが岩盤を掴み取り、左の拳で握りつぶす。直後に右足を踏み込み、左腕を振りかぶる。右足の接地によって地面が振動を起こすのと同時に、左手の甲に描かれた紋様が輝き、力の集中を示す。そうして全身の力が集められ、拳大になり細長く尖らされた石が空中に投擲された。
 ゴルーグにとっては拳大の石でも、投擲を向けられた先のヤミカラスにとっては、それは全身を覆って余りある巨大な岩の矢だ。風を切り裂いて一瞬で迫ったその“ストーンエッジ”から、ヤミカラスは瞬時の羽ばたきによって体を逃がした。僅かに体と岩が擦れあった音が聞こえ、翼の先から黒い羽根がいくらか舞い散る。それを感じた時には、岩の矢は背後の岩壁との衝突を起こしていた。
 わずかだが確実な痛みを受けて、しかしヤミカラスは即座に身を翻した。背後でゴルーグが再び“ストーンエッジ”を作ろうとする鈍い音に怯えながらも、向かうのはただ正面の岩壁だ。
 そこには、今打ち出された岩の矢が突き刺さっている。壁を深く貫いて、削れた土煙とも摩擦の煙ともつかないものを立ち上らせていた。
 ヤミカラスは、傷を受けていない左の羽根に意識を集中させながらその岩に触れる。岩にはまだ、ゴルーグが投擲に利用し、ただの岩を“ストーンエッジ”とするためのエネルギーがわずかに残っている。
 ヤミカラスが行うのは、その力の残滓を辿ることだ。通常であればもはや使い物にならないエネルギーの残りかすだが、自身のワザを使えばその残滓を探し当て、束ね、そして従えることができる。
 岩の槍が一瞬黄土色に輝いて、すぐに今度は、黒い輝きが全体を食うように纏わりついた。ヤミカラスがそれを羽根で叩いたと同時、投擲姿勢を取っていたゴルーグめがけて黒く螺旋を描いた槍が弾け飛んだ。

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・ひとこと

 に、にっこりーーー!!!!?
 ……うわぁ前4月とか。まあ、またお願い致します。

 ワザですが、復帰早々難問に当たりました。相手のワザに使われたエネルギーを飲み込んで、そこに悪エネルギーをまぶして自分のものとして使うという形にしましたが、物理ワザの多くはパンチとか、攻撃物体そのものが残らないのでもうちょっと工夫が要るというか。でも攻撃を受け流して相手に返すとかだと、攻撃そのものがイカサマを使うポケモンに届かない、つまり相手が一方的に損するこんらん自滅みたいになってしまうんですよね。接触物理ワザに対してはカウンターに近い描写になる? ううむご意見お待ちしてます。
 書き終えてからなんなのですが、これはゴルーグ視点にしてヤミカラスがエッジをほいほい撃ち返してくる文のほうが良かったかもしれません。使用者が相手の力を利用して……というイカサマっぽさが出そうなので。

テーマ : ポケットモンスター
ジャンル : ゲーム

No.118 “くろいまなざし”

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 ブラッキーの瞳が、滾々とした赤い輝きを夜闇の中へと放った。暗い輝きは散らず残留し、立ち昇る動きを見せ、ブラッキーの頭上、中空に溜まって渦を巻く。その中心が、突如として裂けた。
 断裂した渦の奥で、蠢く新たな光がそこに生じていた。光はややあって――渦を内部から押し退け、裂けた赤色の中からもがくように姿を現す。這い出たその色は、黒の一色。いまだ残る壊れかけの赤い渦を瞼として、黒は己の色を主張し――夜闇を、睥睨した。

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・ひとこと
 いいかなこんな感じで……。全力で厨っぽく書くのもむずいもんです。
 こうなんか、空間を睨みつけてプレッシャー与えて固まらせる感じのイメージです。効果はポケモン自身の(後退)行動阻害と、範囲内のモンスターボール起動阻害とかそういうので、「相手を“逃がさない”」ことが可能な状況を作り出すものであるという印象があったので、そういう感じに。
 性質としてはこの前書いた“クモのす”と同系統という認識です。今回はワザのエフェクトそのものにウエイトを置いた具合ですかね。あ、そう、エフェクトイメージとしては空の軌跡シリーズの「魔眼」っぽいっつー印象がすごいあったのでほぼそっから来てます。こういう中空の眼の演出は他のゲームとかでもいろいろありそうですよね。映画のロードオブザリングのサウロンでしたっけ、あの魔王? の演出もそんなだったような。

テーマ : ポケモン
ジャンル : ゲーム

No.117 “くろいきり”

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 サクラビスの薄桃色の細長い体が光となって消え、光輝くバトンが置き土産のように中空に残された。新たに飛び出したルクシオが、ボールからの出現の跳躍を利用し、そのバトンを咥え、柔らかく噛み砕く。バトンは紙吹雪のように薄く散る光へと姿を変え、ルクシオに速さと力の加護を受け継がせた。溜めていた電流が増幅され、小さな稲妻が体毛から迸る。即座に下されたトレーナーの指示のままに、ルクシオは突撃を生んだ。
 前進するその視線が突如、黒の色に覆い尽くされた。距離が迫る相手、オクタンの口から放たれたそれは、煙幕に思え――だが、底冷えする冷気を孕んでいた。放つオクタンの姿すら見えなくなるほどに、濃く広がる。その黒を切り裂いて進むルクシオは、不意に加護が失われ、自らの力と速度が削られていたことを自覚した。

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・ひとこと
 能力低下系も難しければ、無形のものが広がる描写もわりとやりづらいんですよね。もくもくと広がっていく感じをどう表せばいいのか。テンポの問題もありますし。あ、バトンタッチの描写はついでです。え? なに? そっち主流っぽい? いつものことです。
 あまり使わないので、このワザはこおりタイプだということはついつい忘れがちです。ゴルバットあたりのイメージが強いことからも「煙」の印象が強いんですが、霧なので多少はひんやりとしていそうですよね。

テーマ : ポケモン
ジャンル : ゲーム

No.BW5 “アフロブレイク”

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 蹄が土を蹴って作る拍が加速し、その結果として、巨体がリングマの腹に飛び込んだ。速度と力の衝突が、そこで起こった。
 だが、バッフロンが突き込んだのは、自らの頭部の中心だ。そこは土色を吸った綿菓子のような、柔らかな膨らみを持った体毛に覆われた箇所。ゆえに衝撃もまた、力を持たない柔らかなものになる。それを理解しているからこそ、リングマもあえて正面から突撃を迎えたのだ。思案の通りに体にダメージが通ってこないことを確かめて、リングマは即座に目前へと反撃を与えるべく、腕を振り上げ――それと共に、屹立していた全身が宙に浮かび上がった。まるでこの柔らかな頭によってトスを受けたような、低速の浮遊だ。
 直後にリングマは悟る。硬度を持たない突撃が、自らへの攻撃を確実とするためのものであったことを。

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・ひとこと
 いやぁ、こうなっ……てしまいました。コイツの場合は角も側面に付いているし。
 ワザのエネルギー論とかをもうちょっと設定としてはっきりさせれば、このワザはより多くのエネルギーを効率よく相手に叩き付けることができるワザ(アフロは触媒として活用しやすい)とか、あの高威力と、あと反動にも意味を持たせられそうなんですが。あるいは今回の吹き飛ばし→角のコンボが一連のワザ、というのもありですかね。復帰早々難題つきつけられましたねぇ。

テーマ : ポケモン
ジャンル : ゲーム

プロフィール

Author:ぱすてぃ
ポケモンと百合に熱を注いでいる人です。当面の目標はオリトレの百合長編を書くことですがいつになるやら。

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